洋服のお直し・オーダーメイド be-FRESHビーフレッシュ

人生を豊かにする“服”の愉しみ方

beFRESH店のお客様よりコラムを頂戴致しましたのでご紹介させて頂きます。

人生を豊かにする“服”の愉しみ方 

日本経済大学大学院教授 赤瀬朋秀

 服飾を極めていくと、“最後にオーダーに行きついた”という声を耳にする機会は多いのではないか。なるほど、体にフィットしたものを着用するというのはお洒落の基本であり、紳士たるものの嗜みでもあろう。たしかに筆者もスーツはオーダーであり、着心地の良さに満足しているのも事実である。しかし、極めて個人的な見解を示すのが許されるのであれば、“オーダーの先がまだある”ことを主張したい。それは、服の直し(いわゆるリフォーム)である。個人的な好みであるが、筆者は古い機械で織られた厚手の生地で仕立てたスーツが好みだ。もちろん、最近のトレンドである柔らかなふわっとした生地で仕立てたスーツも愛用しているが、何か物足りなさを感じるのである。ただ、残念ながら厚手のゴワゴワした生地は採算が取れないのか、最近はとんとお目にかかれない。そこで、行き着いたのが英国製古着であったが、ぴったりのサイズに巡り合うことはほとんどなく、購入をあきらめていたことも多いのが現状であった。

 そこで、いつもお世話になっているbeFRESHの松本氏に恐る恐る頼んでみると、驚くことに「無理です」と言われたことがない。広げる、詰める、つぎ足すなど、非常に高いレベルでこちらのイメージ通りに直してくれるのである。正直、驚かされることも多く、まるで魔法使いのようだ。熟練の職人のワザと松本氏の人柄が相侯って、実によい仕事をしてくれるのである。筆者が最後に行き着いたのが、この“英国製古着を直して着る”なのである。

 この世の中が如何にICT化しようと、ヒトの仕事が人工知能に取って変わろうと、最後に残るのは情動や感動の部分であり、これはFacetoFaceの関係でしか得られない。行き過ぎた効率化が我々の人生のプラスになるのか甚だ疑間であり、そんな時代だからこそ、またアナログと馬鹿にされようと人と人との付き合いは最後まで残ると信じたい。直しは、人の感動を誘うビジネスであり、人工知能で代替えすることはできない。beFRESHさんは、末永く、そして頑固にワザと衿持、心意気を守って商売を続けていってほしい。心からそのように思う会社に出会えたのは間違いなく自身の人生にプラスとなっている。